by 八妙会員 にゃあー

続きでーす!!第8弾

 こんにちは、にゃあーです。
前回のコラムでいろいろと反響がありましたが、今回は楽譜の功罪(ちょっとおおげさですが・・・)についてです。

前回のコラムで水口囃子には基本的に楽譜はなく、講習会のために楽譜をつくったという話をしました。
もし、水口が全国的にもマイナーな囃子であったなら、楽譜というものはできなかったと思います。
 さて、楽譜の「功」についてですが、それはスタンダードな囃子ができ、それを教えられるようになったということです。
全国からみると「水口囃子」という1つの囃子ととらえられていますが、もちろん水口囃子は1つではありません。
水口には16の旧町内(正確には17町)があり、それぞれ囃子が違いますし、同じ町内でも囃子方によって囃子が違います。
八妙会の中でも様々な違いはありますので、楽譜のできる前は、講習会ごとに、また教える人によって囃子が違ったりすることがありました。
それが、楽譜ができることによって、ある程度囃子の標準化ができました。できるとことはできるだけ簡略化しましたが、囃子の基本的な枠組みは崩さずに残しています。
こうすることによって(一部例外はありますが)、教える人によって囃子が違うとか、行くたびに囃子が違うといった意見が減ったように思いますし、囃子を教えていても、講習生の皆さんの上達が早くなったように思います。
これは楽譜をつくってよかったなあと思える部分です。
また、我々八妙会員も楽譜をつくるにあたって、いろいろな勉強ができましたし・・・
 次に、楽譜の「罪」についてですが、これは全国のみなさんとはかなり視点が異なっていると思いますが、伝統芸能を受け継いでいる側の意見として読んでください。むしろ問題提起といった方がよいかも・・・
1つ目は長い伝統芸能の歴史の中で「教科書」または「マニュアル」をつくったということです。
我々は諸先輩から身振りや手振りで囃子を教えてもらいましたが、(もちろん諸先輩も同じように教えてもらったのでしょう)
楽譜ができることによってこれから先、あたかもそれが本当の水口囃子であるかのように後世や各地に伝わってしまわないかということです。
ただ、これは人によって評価はわかれると思います。
2つ目はこういった楽譜ができることにより、水口の現地の囃子を聞いたことのない方が、楽譜をみれば囃子ができてしまうようになったということです。
講習会でもたまに、○○という団体から水口を習ったという方がたまにおられます。残念なのは、その人たちにとっては○○の団体の水口囃子が本当の水口囃子になってしまっているということです。
ちょっと前に掲示板でも秩父屋台囃子についての書き込みがありましたが、これから先、水口囃子もそういう状況になってしまわないか心配です。(楽譜もありますので秩父よりも心配です。)

 ちょっと長くなりましたので、次回に続きます。
 ご意見等ありましたら掲示板へお願いします・・・

 次回は楽譜編の総括です。

Last Update : 2002/12/02